大クラッシュで帰らぬ人に...将来を期待されたF2ドライバー『アンソニー・ユベール』


出典:https://twitter.com/FIA_F2/status/1136664544619614214

未来のF1ドライバーたちにとって最後の登竜門であるシリーズ、F2で非常に残念な事故が起きてしまいました。


F1ベルギーGPのサポートレースとして開催されたレース1の2周目、スパ・フランコルシャンを代表する高速コーナー、ラディオンにて複数台が絡む大クラッシュが発生。


アクシデントの詳細は現在も調査されている段階ですが、どうやらアンソニー・ユベール(BWTアーデン)とジュリアーノ・アレジ(トライデント)のマシンが接触したことで、ユベールのマシンはスピンし高速でバリアへ激突。


さらに、マシンが停止したところへ、ファン-マヌエル・コレア(Charouz Racing System)のマシンが突っ込み、深刻なアクシデントとなってしまいました。


コレアのマシンは横転し、逆さまの状態でコース上に停止。ユベールのマシンはエンジンとモノコックが分離する真っ二つとなり、レースは即座に赤旗中断。その後10分もしないうちにレースを再開しないと発表。


中継画面でもこの事故のリプレイは流されないうえ、レースもすぐに終了となったため、ドライバーたちの安否が心配されたのですが、残念ながらこの事故によってF1を目指してきた若手ドライバー、アンソニー・ユベールは帰らぬ人となったことが公式に発表されました。


F2で高い順応力と安定感を発揮、F1参戦を有望視されていたユベール
出典:https://twitter.com/FIA_F2/status/1134042265586847744/photo/1

フランス出身のユベールはF2に参戦しているドライバーのなかで、将来を有望視されているドライバーの1人でした。


彼は今季F2へステップアップを果たしたルーキードライバーでしたが、2018年GP3(現:FIA-F3)王者として期待を集める存在でした。


彼にとってF2デビュー戦となったバーレーンのレース1で4位を皮切りに、マシンへの高い順応力を見せると、そこからルーキーらしからぬ抜群の安定感を発揮。


デビューから11戦で10度の入賞を記録するだけでなく、モナコでのレース2ではリバースグリッドでポールポジションに着くと、レースでは2位と0.059秒差という僅差で制し、F2初優勝を飾ります。


さらに2週間後のポール・リカールで開催されたレース2では、コレアとのフロントロー対決に始まり、終盤まで食い下がるコレアを抑えきり、地元フランスでも再び優勝を達成。目標に掲げるF1デビューに現実味を帯びさせる走りを披露しました。


これらの活躍に他のF2チームも高く評価し、GP3時代に所属していたARTやDAMSなどの上位チームが来季のシートを彼に与えようとしているという噂が立ち始めます。


ユベール自身も2020年にF2でのタイトル獲得を近い目標に掲げているとコメントしていたことから、来季にそれを達成し2021年にF1へ参戦開始というのが、最も順調なステップアップになると見られていました。


また、今年の5月にはルノーF1のドライバーアカデミーにも加入。


先日、ルノーからF1復帰が発表されたエステバン・オコンがメルセデスへ復帰した場合の後任候補として、同じF2で戦うジャック・エイトキンやチョウ・ガンユウと共に、彼の名が挙がっていたことでしょう。


12歳の時にレーシングカートを始めてから10年でF2まで登り詰め、あと少しで夢であったはずのF1ドライバーまで確実に近づいていただけに、今回の事故は本当に残念でなりません。

出典:https://twitter.com/FIA_F2/status/1167868070594936834

F2ルーキーイヤーながらもピンクのアーデンを走らせる姿は早くもお馴染みになりつつあり、あちこちでバトルが起こる厳しいレースでも、周りに飲み込まれることのないドライバーの1人でした。


心よりご冥福をお祈りしたいと思います。