2019シーズンを楽しむために覚えておきたい5つのポイント【F1バーレーンGP編】


F1通算999回目のグランプリとして幕を開けたバーレーンGP。


砂漠に囲まれたロケーションと砂埃が名物のサクヒール・サーキット、そこで行われた2019年のレースは、ファンの予想を裏切る展開が続出する1戦となりました。


各チームの力関係に注目が集まるなか行われた予選。


そこで話題を呼んだのはフロントローを独占したフェラーリで、なかでも自身初のポールポジションを掴んだシャルル・ルクレールは、移籍2戦目にして早くも注目を集める走りを披露してみせます。


一方、開幕戦オーストラリアGPで1-2フィニッシュを飾ったメルセデスは、昨季の王者であるルイス・ハミルトンをもってしても3番手が精一杯、開幕戦ウィナーのバルテリ・ボッタスも及ばず4番手。


レッドブル・ホンダは前戦で3位表彰台の立役者となったマックス・フェルスタッペンが5番手に食い込むものの、ピエール・ガスリーはまたしてもQ3進出を果たせず13番手に沈んでしまうことに。


また、近年は激戦が繰り広げられる中団勢の争いでは名門マクラーレンが復調ぶりを見せ、2台揃ってトップ10入りとマシンの仕上がりの良さが際立つ結果となりました。


【バーレーンGP 予選結果】

1.シャルル・ルクレール(フェラーリ)

2.セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

3.ルイス・ハミルトン(メルセデス)

4.バルテリ・ボッタス(メルセデス)

5.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

6.ケビン・マグヌッセン(ハース)

7.カルロス・サインツ(マクラーレン)

8.ロマン・グロージャン(ハース)※他車妨害により3グリッド降格

9.キミ・ライコネン(アルファロメオ)

10.ランド・ノリス(マクラーレン)

11.ダニエル・リカルド(ルノー)

12.アレクサンダー・アルボン(トロロッソ)

13.ピエール・ガスリー(レッドブル)

14.セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

15.ダニール・クビアト(トロロッソ)

16.アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)

17.ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)

18.ランス・ストロール(レーシングポイント)

19.ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)

20.ロバート・クビサ(ウィリアムズ)



初ポールのプレッシャーと優勝への執念

初優勝に期待がかかるルクレールにとって、最初のミッションは先頭のまま1コーナーへ飛び込むこと。


ですが、スタートと同時に、ルクレールはいきなり優勝を経験するライバルを相手に、防戦一方の戦いを強いられることとなります。


1コーナーまでの加速で僚友ベッテルに遅れを取ると、4コーナーではメルセデスのボッタスにまで順位を明け渡し、早くも2つもポジションを失ってしまう期待外れな幕開けに。


しかし、ハミルトンの猛攻を凌ぎ切ると持ち前のレースペースを発揮し、反撃に打って出ます。


2周目にボッタスの僅かなミスを突いて2番手に上がると、先頭ベッテルに猛烈に迫り、6周目のホームストレートではブレーキング勝負に持ち込むとアウト側から一気に抜き去りトップを奪還。


彼の魅せどころはこの挽回劇に留まらず、ここから後続をみるみるうちに引き離し、スタートでの出遅れを序盤のうちに帳消しにする圧巻のドライビングを披露。


初優勝へ向けトップをひた走る展開へと持ち込むことに成功します。


接戦での立ち回りが明暗を分ける中団争い

序盤から激しいトップ争いの後方では、中団がいつも以上に接近戦が序盤から目立つ展開に。


ここで戦列から大きく遅れたのはグロージャンとサインツでした。それぞれ他車との接触でマシンにダメージを負いピットインを余儀なくされ、入賞争いから脱落。


特にサインツは6番手と好位置を走っていながら、元チームメイトであるフェルスタッペンを抜きにかかる際にウィングを破損し、入賞争いから退くこととなってしまいます。


先行するトップ5台から離された位置では6番手マグヌッセンを先頭にリカルド、ライコネンなど、16番手のジョビナッツィまでが接近戦を繰り広げるバトル続きの展開に。


そして、この争いから抜け出したのはリカルドとヒュルケンベルグのルノー勢、さらにはライコネンなど、テクニックに定評のあるドライバーたちが混戦で見事な捌きぶりを見せた序盤戦となりました。


昨年のタイトル争者がコース上で激突

レースも10周目に入ると、各チームが1度目のタイヤ交換のタイミングを迎えます。


ここで大きな動きがあったのは14周目、ハミルトンがピットへ入るとフレッシュタイヤで猛プッシュを決め、遅れて翌周にピットへ向かったベッテルを攻略。


これでフェラーリの1-2体制は崩れるのですが、ルクレールはそんな争いをよそに、この2人を上回るペースを刻み続けます。


ですが、フェラーリ対メルセデスの戦いは、一筋縄では終わりませんでした。


レースも中盤に入った23周目、一旦は前に出たハミルトンでしたがペースを上げることが出来ず、コース上でベッテルに捉えられ、フェラーリが再び1-2体制を築きます。


これで勝負ありかと思われたのですが34周目、再び先にピットへ向かったハミルトンはまたしても反撃に転じ、ここから優勝争いは大きな山場を迎えることになるのでした。


目を覆いたくなるフェラーリ勢の後退

メルセデスのピット戦略に応戦すべく、フェラーリ陣営もすぐさまベッテルをピットへ迎え入れます。


ですが、フレッシュタイヤでペースを上げたハミルトンは一気にベッテルの背後に迫り、コース上でバトル関係へと発展。


すると38周目、4コーナーでハミルトンがアウトから豪快に並びかけます。すると、この激しい争いでベッテルが痛恨のスピンを喫し、軍配はハミルトンに。


ベッテルはこのスピンの影響でタイヤにフラットスポットが発生、そのタイヤトラブルでマシンに振動が発生し、その振動によってフロントウィングまでもが破損。


再度ピットストップを余儀なくされたベッテルは、これによって表彰台争いからも脱落してしまいます。


さらにレースも残り10周余りと締めくくりの段階を迎えたこところで、フェラーリが頭を悩ますトラブルが発生。


なんと、トップをひた走ってきたルクレールがパワーユニットの出力低下を訴えたのです。


それまで速かった彼のペースでしたが、トラブルの影響から周回遅れのマシンにも抜かれるほど苦しいものとなり、やがてハミルトン、さらにはボッタスにも順位を奪われてしまいます。


これでフェラーリはフロントロー独占という好結果から一転、悪夢のような展開が続く厳しい1戦となってしまいました。


ルノー勢にトラブル発生、不可解な終幕

レースも残り3周に差し掛かった54周目、ここでとても奇妙な事態が発生します。


揃って入賞圏内を走行していたルノーの2台が、ほぼ同時にマシントラブルに見舞われストップ。


同じマシンが同時にストップしたことで中継陣も混乱する珍事によって、今季初となるセーフティカーが出動したのです。


しかし、このセーフティカー出動に対し、レース終了直後から懐疑的な意見が相次ぐこととなります。


というのも、この時点でまだレースには多くの見どころが残されており、3番手を争うルクレールとフェルスタッペン、さらには6番手ノリスから8番手のガスリーもバトル関係が続いていました。


さらに、ルノーの2台はそれぞれコース外にマシンを停めることが出来たため、このセーフティカーは少々大げさだったのでは、という意見が多く寄せられたようです。


最終的にこのセーフティカー先導のままレースは終了。ハミルトン、ボッタスの順でメルセデスが開幕戦に続き1-2フィニッシュを達成。


そして、セーフティカーによって助けられながらも自身初表彰台を掴んだルクレールは、ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれ、ピットへ戻って来ると素晴らしい走りを見せた新鋭に惜しみない拍手が送られました。


今回で通算74勝目を挙げたハミルトンは、ルクレールに起こったモータースポーツの残酷さを知る1人として、「彼の走りは素晴らしく勝利に値するものだった。きっとこれから沢山の勝利を積み重ねていくだろう。」と、その健闘を称えてレースを締めくくっています。


また、このレースではノリス、アルボンといったルーキーたちがF1初入賞を飾り、時代を先取るニューパワーたちの活躍が印象的な1戦となりました。


バーレーンGP 決勝結果

1 L.ハミルトン(メルセデス)

2 V.ボッタス(メルセデス)

3 C.ルクレール(フェラーリ)※自身初表彰台

4 M.フェルスタッペン(レッドブル)

5 S.ベッテル(フェラーリ)

6 L.ノリス(マクラーレン)※自身初入賞

7 K.ライコネン(アルファロメオ)

8 P.ガスリー(レッドブル)

9 A.アルボン(トロロッソ)※自身初入賞

10 S.ペレス(レーシングポイント)

11 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ)

12 D.クビアト(トロロッソ)

13 K.マグヌッセン(ハース)

14 L.ストロール(レーシングポイント)

15 G.ラッセル(ウィリアムズ)

16 R.クビサ(ウィリアムズ)

17 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)

18 D.リカルド(ルノー)

19 C.サインツ(マクラーレン)

リタイア R.グロージャン(ハース)