【F1ベルギーGP】2人で掴んだシーズン初勝利、フェラーリはまだメルセデスを侮っているかもしれない。


ついにF1初優勝を飾ったシャルル・ルクレール©F1'nder

今日はベルギーGPを観て、なんとなく思ったことを書いていきたいなと思います。


開幕前から今季こそは王座奪還へ高評価を見せてきたフェラーリが、ついに今季初勝利を飾りましたね。


春のテストからバーレーンGPなど、マシンそのものの速さは示していたのですが、結局初勝利は昨年、おととしよりも遥かに遅い13戦目で掴むことが出来ました。


結果は上からシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)という並び。


フェラーリはフロントロー発進ということを考えれば、日曜日のメルセデスそして、ハミルトンの強さを凌ぎ切ることが出来なかったと言っていいのかもしれません。


無事、勝利こそ果たしましたが、中盤タイヤに苦しんだベッテルが壁役として、ハミルトンをブロックするシーンがありましたが、もしあれが無ければフェラーリはまた悔しい思いをしていた可能性も十分にありました。


もし、フェラーリが予めそういった戦略を組んでいたのであれば、これは見事だと思います。


例え、どちらか1台に勝機が無くなったとしても、マシンとコースの相性を考えると、フェラーリにとってこのベルギーGPは絶対に落とせない1戦でした。


フロントロー独占という望み通りの予選を終えた後ですから、決勝での1-2フィニッシュまで繋げたいと考えるのは自然なことだとは思います。


ですが、日曜日に有り得ないような状況を打破し、今季も勝ちまくってきたメルセデスとハミルトンの速さを何度も見てきたにも関わらず、今回結果的に壁役を務めることになったベッテルの戦略は、少し行きあたりばったりなものを感じました。


というのも、チェッカーを受けた時点でルクレールとハミルトンの差は1秒以内。レース後のコメントでもハミルトンは「もう1周あれば...。」と語っていましたが、実際にもう1周あれば、順位が入れ替わっていたのでは?と思った方も沢山いたのではないでしょうか。


実際に逆転しようがしまいが、レースは44周と事前決まっていたのでたられば論になってしまうのですが、ハミルトンの優勝をたらればにしたのは第2スティントのベッテルの走りにありました。


第1スティントで早くからタイヤに苦しんだベッテルは早めのタイヤ交換を行い、順位をキープするどころか、首位ルクレールをアンダーカットしトップに浮上。


しかし、そこからチェッカーを目指すには長い道のりがあり、他の上位陣がピットに入った頃にはベッテルは再びタイヤに苦しみ始めます。


後方からチームメイトが迫るとチーム内の紳士協定的なもので首位を譲ると、新品タイヤでハイペースを刻むハミルトンが迫ってきました。

またまたレースで凄まじい追い上げを見せたハミルトン。その光景はもう今季のお馴染みに(©F1'nder)

数周に渡ってハミルトンを抑えるも、最終的にはミディアムタイヤでも力尽き、今度はボッタスに迫られたところで、2度目のタイヤ交換に向かいます。


ここで、ルクレールの初勝利となったカギは、紳士協定とハミルトンへのブロックという2つのポイントです。


ですが、これはベッテルがタイヤに苦しんだからこそ、起こったものでした。


もし、ベッテルがタイヤに苦しまなければもっと長く壁役になれたのではと考える方もあると思いますが、その場合ハミルトンはあれほどピットストップを遅らせず、むしろアンダーカットに向かっていたでしょう。


ベッテルが最初にピットに向かう際、ハミルトンはわずか1秒後方におり、1周差での逆転は十分に可能で、恐らくルクレールも追い上げに対するカウンターによって、予定していた周回まで第1スティントを引っ張ることが出来なかったと思います。


ルクレールはとても速いドライバーですが、今季もレース終盤にペースが落ち込むという弱点もあり、それはレッドブルホンダが今季初勝利を飾ったオーストリアGPや、チェッカー目前で僚友に抜かれてしまったハンガリーGPでも見られました。


そして、今回のベルギーGPでもラスト数周というところでペースが上がらず、今回は無事守り切ることが出来ましたが、ハミルトンに仕掛けられても不思議でないところまで、接近を許しています。


こうしたルクレールのペースの落ち込みや、ハミルトンのタイヤ管理の巧さというのは、今季何度も見られたものです。


しかし、フェラーリはレースにおいて、これらの要因を不安視しているとは思えない戦略で臨んできたことについては、少し甘い戦略にも思えました。


ベッテルの予選後コメントはブラフなのか?
ベルギーGPではルクレールに遅れを取り、レースでもタイヤに苦しんでしまったベッテル(©F1'nder)


ベッテルがタイヤに苦しむことを想定してこういう戦略になったという意見もあるかもしれませんが、予選後のコメントで日曜日の気温の変化を懸念はしつつも、決勝レースには自信を持っていると語っています。


もちろん、戦う前に戦略を明かすようなことはしないと前置きはしておきます。


予選でも苦しむ部分もありながら、レースペースではルクレールに勝てると踏んでいた部分は少なからずあったでしょう。


シーズンが進むにつれてベッテルは僚友に対し遅れを取ることも増えてきていますが、レースをまとめる力においては1枚上手な部分を見せてきました。


それもあってか、表情も明るくレースに自身を覗かせたコメントになったのだと思いますが、これはあくまで優勝争いの相手がルクレールであった場合です。


マシンパッケージや戦略においてメルセデスはさらにもう1枚上手だと言うのは、今季のF1を観てきた方には言うまでもないでしょう。


もちろん、どれほどかメルセデスを意識する部分も忘れてはいなかったはずですが、こうした認識はチーム首脳陣や、戦略担当にも共通していたと想像できます。


ところが、レースになると思うようなペースでメルセデスを引き離すことが出来ず、戦略面での駆け引きが必要なシチュエーションに持ち込まれてしまいます。


レース中盤以降にもなると、今度はペースで押される厳しい状況になりましたが、これもメルセデスの戦いぶりを観ると、よくあるパターンと言えるでしょう。


今季は戦略面でのチグハグさに批判が集まることもありましたが、勝利を飾ったこのベルギーGPでも王者メルセデス、そしてハミルトンに対する警戒が足りないように感じてしまいました。


それでも、レース終盤にハミルトンを凌ぎ切ったことで、ルクレールは勝てるドライバーであることを示し、このベルギーGPはチームにとっても大きな収穫があったと思います。


また、ルクレール自身にとっても、前日のクラッシュで事故死してしまったアントワール・ユベールや、共にF1で勝つことを誓いながら先に亡くなってしまったジュール・ビアンキとの約束を果たすことが出来た、忘れられない1戦になりました。


それと同時に、ここまで好き放題やられてきたメルセデスに対する警戒心の足りなさがあることも事実で、ハミルトンというドライバーをフリーで走らせることが危険であることを、再認識する良い機会になったはずです。


また、今回は脅威にはなりませんでしたが、ベッテルの1ストップ作戦が不可能だと分かり、ほぼ4位が確定した時点でボッタスに対するブロックを行わなかったことも警戒心の薄さを感じさせるシーンでした。


次戦の地元モンツァも今回と似たような力関係になり、フェラーリは優勝争いの筆頭候補だと予想されていますが、そこでどんな戦い方を見せるのか注目してみたいと思います。


そこで進歩が見られないようであれば、またしてもフェラーリはマシン性能に頼りっきりな戦い方が続くのかなぁと、、、


そんな想像は今週末のレースを観てからの、お楽しみにしたいと思います!